SNSで見つけた“映え”ているメニューの裏側を、オーナーや担当者に取材するシリーズ企画「編集部、SNS映えメニューを追う!」。今回は、岡山県倉敷市児島の下津井蔵珈琲 kula-n(以下、クラン)で見つけた、色鮮やかなボトルドリンクを紹介します。
クランは、江戸時代後期の蔵を改装して2020年9月にオープンしたカフェです。ボトルドリンクの正式名称は「Fruful bottle」で、定番のレモネード系に期間限定メニューも加え、約10種類が販売されています。カクテルの技術が使われたこのボトルドリンクは、元バーテンダーで、飲食店プロデュースなどを手掛けるクラン店主が考案。フランチャイズ契約も行っています。
―このドリンクが誕生した経緯を教えてください。
カクテルの世界は、色合いの綺麗さなど、「映え」がとても大切です。僕はバーテンダーでもあるけど商売人という方が強かったので、じゃあグラスで作っているものをボトルにできたらいいんじゃないかと考えたのがスタートです。
―作る際のこだわりポイントを教えてください。
こだわりはやっぱり色でしょうね、色と層です。あと、この店に置いているものは一部を除いて、下津井の水が入っています。下津井の井戸水には山の伏流水と海の伏流水があって、今回は山の伏流水の井戸水をろ過して使っています。
―おすすめの飲み方はありますか。
上から飲んだら水がきて次にシロップがくるみたいな感じになるので、このまま飲むのはおすすめしません。飲むときは振って混ぜるしかないです(笑)。そして一度混ざったら二度と同じ層には戻りません。その儚さがいいんだと思います。下津井でしか飲めないものになるじゃないですか。
―カフェとドリンクが地域おこしにもつながっているように感じます。
2020年2月に飲食店メニューのプロデュースで初めて下津井地域に来て、開発前の尾道(広島)や問屋町(岡山)のイメージが浮かび、チャンスだなと思いました。瀬戸大橋という人造のアートと、古い町並みが融合されていて、こんな芸術はなかなかないなと。ボトルドリンクは、そういう町を散策してもらうお供にという感じです。そして、写真がSNS に上がることによって、「そんないい写真が撮れるところはどこ?」となれば、下津井に集客ができるかなと。
―おすすめの写真の撮り方はありますか。
透明なものなので、光に透かしたり水に映したり。雨の日も水たまりに映せるのでチャンスですよ。また、昼のボトルと夜のボトルでは写し方が変わって面白いなと思います。
―お客さんへのメッセージをお願いします。
僕を驚かせる写真を撮って欲しいなと常に思っています。挑戦状ですよね(笑)。お客さんが「こんなの撮れました」と言ってSNSに上げてくれていたり、送ってきてくれたりするんですが、「参りました」ってなる写真も結構多いんです。そういう僕では思いつかないような写真の撮り方をして欲しいです。カフェでは、ハンモックでゆったりとしてください。そして下津井という素敵な場所に、ぜひ一度訪れてほしいなと思います。
ボトルだけでも十分SNS映えしているのですが、瀬戸大橋や海、下津井地域の街並みと合わさることで、より1枚1枚の写真に魅力が増すように感じました。地域の良さを感じながら味わってほしいドリンクです。
商品はクラン店内で営業時間内に購入できるほか、店舗前の無人販売機でも、24時間購入することができます。